「宇宙人は100%いるけど200%会うことはない」と言った野口さんの言葉に思うこと

エッセイ&コラム

わたしは、お笑い芸人のダウンタウンの松本人志さん(以下まっちゃん)がMCを務める「酒のつまみになる話」がテレビ番組の中で一番好きだ。

録画して毎回観ている。

MCのまっちゃんを始め、芸人さん、俳優さん、スポーツ選手、声優さん、など様々な方がゲストとして出演し、卓を囲み、お酒を飲みながら、それぞれが話したいと思ったことについて話す番組だ。

俳優さんやスポーツ選手など、素の本人を見ることがないので、この番組に来て話す様子を見て人となりを知り、好きになった方は数知れない。

話の内容がとてもざっくばらんで、芸人さんやまっちゃんが楽しく会話を回してくれるので、どんな話も楽しんで聞ける。

自分も飲み会に参加しているかのように気楽に話を楽しめるのが一番好きなところだ。

先日は宇宙飛行士の野口聡一さんが出演していた。

その中で野口さんが話した内容について日頃思っていたことに付いて話してみたくなった。

それは「宇宙人は100%いるけど、200%会うことはない。」という話に付いてだ。

今回の野口さんの話のネタは「もうこの話題はいいかげんに今からNGにして欲しい」から巡った話。

このネタの発端は元AKBの前田敦子さんの元夫、勝地涼さんだった気がする。

いろいろ週刊誌に騒がれた時期があって、その時不倫報道もあった。
本人はやってないデマの報道なのに、いまだに不倫した人みたいに言われるのが嫌だと。この番組を最後にもう言うのを禁止してほしいと。

それはかわいそうだな、と思ったものの、明るく活動していて偉いし、今は踏ん張って頑張って欲しいと思った。

その回に登場していた野口聡一さんにもこの話のくだりがまわってきて、他のゲストからの質問で「宇宙人はいるのか?」という質問をされた。この話は本当によく聞かれると答えた。

完全にあーこれはやめて欲しいですね、っていう話の入り方ではなく、やんわりした話の返しかたをしていたので、この質問は嫌ではないのか?と思って聞いていたけど、エピソードの中で、若い頃は宇宙人はいるのか聞かれても「どうですかねー」と流していたそう。

この宇宙人がいるかどうかの話は、うんざりするほど宇宙飛行士にとっては常識的な話なんだな、という印象をうけた。

また、話の入りでは、そのうんざり感がわからなかったが話が進むにつれにて、この質問がいかにうんざりする系の質問かということがわかった。

情報がどう扱われるかを意識した紳士的な話し方で、上手なクッションの使い方だな、と思って聞いていた。

知識も常識も情報の発し方も一般人の想像には及ばない幾千の経験を想像しているだろう。

フレンドリな方に見えたが、それこそ私にとっては遥か遠い星の人のようにも思えた。

で、この「宇宙人はいるか?」の質問に対し、野口さんは宇宙人は100%いるけど、200%会うことはないと言っていた。

地球は広い広い銀河の中の辺境の星。地球と同じような星もあることが確認されているが、もし宇宙人がいてもこんな星に見にこないと。

最初はへーと思った。様々な世間で聞く宇宙人や宇宙船目撃の話には不安を覚えた。それが払拭されるような気がしたから。

こんなに頭のいい人が言うことなら安心だ。そう思った。

いや、ほんとにそうか?しばらく日が経って、その思いは、都合のよい世間的な嘘だろうという気持ちに変わった。


先日多摩六都科学館へ行った。

子どもにプラネタリウムを見せようと、ネットで調べてここに決めた。

館長さんの「地域から世界、世界から地域を見る視点」という言葉が胸に刺さって惹かれ、行きたくなった。

館長から
【地域から世界を観る・世界から地域を観る】
現在、私たち人類が信じている宇宙観は、天に対する大地を意識した地理的世界の観察から始まり、人間の観察する世界が広まるにつれ、天動説、地動説、天の川銀河へと宇宙を見る視点の変遷を経て生まれてきました。世界を知りたいという好奇心は、科学という人間の営みとして発展し、現在では自然界に存在する物質、生命、宇宙は密接に関係して誕生してきたことを私たちは理解しています。現代の科学技術の智とも言える文化遺産を人類は手に入れたのです。
地域から世界を観ることで、世界から地域を見る視点を手に入れて来た科学の発展の事例はいくつもあります。地域の環境を地球規模で調べる現代環境科学の手法もその一つです。人間の文化の中でそうした科学が果たす役割を地域の人々とともに知り、考える、そんな機会を生み出すことを多摩六都科学館は願っています。その際、地域から世界を観る科学の視点と科学が発見した世界から地域を観る視点を交えることで、一般社会での科学技術のあり方を皆さんと考える機会も生まれてくると信じています。

高柳 雄一(たかやなぎ ゆういち)
1939 年4月、富山県生まれ。1964年、東京大学理学部物理学科卒業。
1966年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了後、日本放送協会(NHK)にて科 学系教育番組のディレクターを務める。1980年から2年間、英国放送協会(BBC)へ出向。その後、NHKスペシャル番組部チーフプロデューサーなどを 歴任し、1994年からNHK解説委員。
高エネルギー加速器研究機構教授(2001年~)、電気通信大学教授(2003年~)を経て、2004年4月、多摩六都科学館館長に就任。2008年4月、平成20年度文部科学大臣表彰(科学技術賞理解増進部門)

多摩六都科学館についてhttps://www.tamarokuto.or.jp/aboutus/

 

しかし、乗り継ぎも悪い場所にあるのに、ここは人気で祝日も手伝ってかプラネタリウムは見れなかった。
そのため仕方ないので博物館内を見て回ることにした。

結果、ものすごく楽しかった。

特に興味を持って真剣に見てきたのは、ニュートリノとスーパーカミオカンデについて。ニュートリノとスーパーカミオカンデ。科学音痴のわたしにはよくわからず、通り抜けてきた。

でも、学生時代から、ちっとも好きになれなかった科学なのに、とても面白かった。

子どもにいろんなことを教えようとしているうちに、自分が子どもの頃避けてきた苦手なものに向き合うことが増え、それが意外に面白かったりすることが多く、子育てって楽しいなと思える意外な一面に出会ったりもしている。

子どもの頃のまっさらにわからない状態から知るわけではないので、大人になった今説明されるとすんなりわかるもので。

ニュートリノは今も宇宙から降ってきている素粒子で、宇宙から地球に来る途中にその性質を変えるものもあるが、人体を通り抜ける際になんの影響も及ぼさないですり抜けているらしい。

スーパーカミオカンデはそのニュートリノの質量を測る機械らしいが、ニュートリノに今までは質量がないとされていたのに、実はあるらしいということがわかって、それは大きなことらしい。

その説明や、ニュートリノが通り抜けるのを体験できる機械に出会ってきた。

それがなぜ、宇宙人の話に結びつくかと言う話なんだが。

科学の話に興味を持つと、宇宙人が隣にいてもおかしくないし、見えなくても当たり前、と思えてくる。科学に詳しくないアホな一般人の妄想と思って聞いてほしい。

野口さんは宇宙人はいるけど、200%会うことはないと言った。その会うことはないは嘘だと思った。わたしは隣に確かに存在していると思っている。

厳密に言うと宇宙人という形ではないけれど、人間に影響を与えているのかいないのかはわからないが、人間の見えない世界は常に隣にあると思う。

宇宙人という設定が悪い。宇宙人の定義とは?みんなの想定するような宇宙人。それがいるかいないか。それは私たちの目に見える形の宇宙人?見えなくてもいい?

だって人間も分子の塊の生き物。粒々が固まって生きている。それが、崩壊して崩れ去る瞬間があるかもしれない。そんなこと意識しないで生きているけど。

それに体の中を宇宙から素粒子が絶えず降ってきていて、人体には影響を与えずすり抜けている物質を今も浴びている。とか。

人間の目に映るものは網膜が色と識別できるものだけだし、識別できないものは存在していないのか?いや、存在している。

こうなってくると、存在って言う意味も危うくなる。見えなくても遥かにたくさんのものが存在している。

そう、見えない何かの塊、が私の肩を叩いているかもしれない。

宇宙人はいるけど200%そこにいる。が本当の話じゃないだろうか。

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